容疑者Xの献身見たからなんか書くね
どうも、福山雅治です。
あんちゃん小雪の気持ち考えたことあんのかよ(激似)
ってことでね、容疑者Xの献身をアマゾンプライムで見ました。初見じゃないんですけどね。
「何故ハリウッド映画は気に入らないのか」
自分自身でも最近気付いたんですけど、僕あんまりハリウッド映画好きじゃないっぽいんですよ。
というのも、それって珍しいけどあんまり珍しくもなくて、ハリウッド映画ってもう映画と言えばハリウッドみたいな人気なんですけれど、これ逆に特殊なんですよね。
どっかの誰かが言ってたんですけれど
「映画とは本質的にローカルなものである」ってやつ。
ローカル。その国、その文化の狭い範囲をターゲットとしてのみ作られるし作らざるを得ない。たまに広い範囲にヒットすることもあるけれど、それは例外である。
ローカルな映画ってどういうことかって言うと、僕の解釈になっちゃうけど情報の詰め込みなんですよね。
映画って短い。せいぜい二時間。起承転結で一つの物語を説明するにはあまりに短い。
だから例えば白飯、納豆、味噌汁、焼鮭なんかが食卓に乗っているカットを数秒映すだけで日本人なら何も台詞で説明しなくても「一般家庭の自炊した朝食」とすぐ結びつく。
そんな映像だけじゃなく役者の表情や言葉遣い、天気や小道具なんかにも「説明しなくてもわかるよね?」って情報を詰めて時間を圧縮しているんだと思います。俳句や短歌に似ている。
で、この「わかるよね?」って文化の下地が無い場合はわからない人が出てくるんですよ。当然だけど、和食知らない人に納豆見せてもなんやあれ? としかなりません。これがローカルってことなんですね。知らんけど。
その点ハリウッド映画はもう作る段階で世界中の人間をターゲットとして作っている。
映画という娯楽で唯一例外的にグローバルなんです。そうなると僕のようなひねくれた感性を持っている厄介な奴にはいまいちストライクに入って来ないってことですわ。
100万人のために歌われたラブソングなんかに僕は簡単に心を重ねたりはしないってことです。この歌がめっちゃ売れてるのは言ったらあかん。
あ、ハリウッド映画にもちゃんと演出で魅せるような渋い作品があるのは知ってるんだけどね。
邦画は「容疑者Xの献身」たるべき
ハリウッドの悪口はこれくらいにして、容疑者Xの献身の話をしましょう。
こちら東野圭吾原作でテレビドラマ化もされていたガリレオシリーズの劇場作品です。
この作品はガリレオシリーズでも異質で、テレビドラマ版を見ていなくても楽しめる。というかタイトル通りに「主役は容疑者」と言わんばかりに探偵役の出番が少なく
ドラマではお約束だった主人公湯川が犯人のトリックを暴いて追い詰めるカタルシス的シーンが入ってない。暗い。もう全体的に雰囲気暗いよね。役者さんもおそらく意図的にしっとりした演技をしています。
暗いシーンで暗い演技をするのは当然だけど、何気ない会話のシーンなんかでも若干テンション落としてる感じがしますた。
映画でやりがちな無駄爆発とかアクションとか無いしね。
あ、冒頭にあったか。あれ何の意味あったんだろ。無駄爆発ありました。
「暗い」「地味」ってマイナスなイメージだけどむしろこれが良くて、容疑者役の堤真一と松雪泰子の演技が素晴らしい。まあこの二人の物語なので目立つのは当然なんですが、感情の演技が上手い。
演技なんかしたことないけど、多分怒ったり叫んだり泣いたりするより地味なシーンに感情を乗せることの方が難しそうだなとは思う。で、それがわかってくると激情シーンも逆に難しく感じるとかね。色んな世界でそういうことあるよね。
よく言われてるラスト10分とかすごい。これはドラマシリーズの、まるで時代劇で悪を成敗するような作りでは出せなかった味ですよ。
で、またハリウッドの話するけどさ!
以前書いたんだよね
バットマン ダークナイト三部作観たけど全然関係ない話するね - 世の中褒めロボ
バットマンの感想と見せかけて終始「キスシーン批判」してる話なんだけど
この「容疑者Xの献身」
もうね、これほどかってまでの深い愛を描いてるんですけれど。奥ゆかしい愛を描いてるんですけれど。なんと
「キスシーン入っておりません!」
やたー! わーい!
これだよこれが食いたかったんだよ。酢豚にパイナップル入れるんじゃねえよ。
キスどころか手すら触れません。花岡と石神は最初から最後まで弁当屋のカウンター越しの距離のまま。いやまぁ報われてもらったら困る話でもあるんですけど。
ドカーン! ぶちゅー! あいらびゅー! ハッピーエンド!
そんなのは求めてないっ! 特に邦画では!
そんな感じでキスシーンの無い映画を探している方におすすめです。
そんな人僕以外にいるんですか?