世の中褒めロボ

様々なことを褒めたり褒めなかったりするブログです

義肢が肉体を超える日は来るか 攻殻機動隊とガジェット警部の世界

どうも、全身機械です

 

 

義手や義足をまとめて義肢と呼びます

これら義肢を必要とする人らを障害者と呼んだりしますが、将来いつかの時点でその認識はくるりと一転崩壊する時代が来るでしょう

差別意識や支援、理解などとは全く違う倫理的問題が突き付けられる

 

肉体と義肢技術の進化に関するお話です

 

 

現実の義肢と攻殻機動隊

漫画やアニメ、特にSFを好む者にとって教科書か聖書のような存在に攻殻機動隊という作品がある

知ってる? 知らなかったら人生100割損してるよ!

 

 

この作品を詳しく語りだすとそれだけで何万字と書いてしまうので今回は記事に必要なポイントだけ簡単に説明させて!

 

 

近未来。幾度かの戦争を経て人類は機械と肉体を融合、置換する技術を手に入れました

内臓も含めた身体の殆どの部位を人工物と入れ替えられるこの技術は、従来の義肢ではなく義体、脳の場合は電脳化と呼ばれています

義体化、電脳化は生身と比べ遥かに大きなパワーと情報処理能力を獲得し、この世界のパラリンピックはオリンピックとは比べ物にならないハイレベルな競技で大人気となっています

 

 

こんな感じ

世界観凄いよね。何が凄いってこの原作は当時まだインターネットなんて研究段階レベルだった1989年に描かれていて、30年近く経った今でもまだ現代科学が追いかけるべき未来SFとして成立している

神かよ

 

今回話したいのはこの『義体』が生身より高性能になることについてなんだ

 

パラリンピックと機械義肢

義肢が肉体よりも全てにおいて上回る日。これはまだほんの少し遠い

 

だって身体って凄い。ありえないでしょこれ。なんか成長とかするし、飯食ってりゃ勝手に動くし。バネもモーターもバッテリーも無しで伸縮したりする。超高性能

耐用年数も半端じゃないしメンテナンスもいらない

 

 

でもいつかは義肢が肉体を超えるんじゃないかなと思ってるんだ

 

実はもう陸上のスプリント競技などでは義足の選手が生身の記録に迫り、議論を巻き起こしている

ドイツ出身のマルクス・レーム選手は片足義足の走り幅跳び選手である

2014年に行われたドイツ陸上選手権で健常者と並んで競技に挑んだ彼は、なんと優勝してしまう

参加申請の段階ではウェルカムと余裕ぶっていたドイツ陸上競技連盟も、いざ優勝してしまうと各方面からの異議を受け、最終的にマルクス選手の『優勝』はそのまま『記録』参考記録として処理するなんとも煮え切らない決定を下した

 

このような問題は近い将来もっと大きく語られるようになっていくだろう

 

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こういった競技用の義肢では殆どモーターや電気の類は使っていない。それでもこれだけの性能をもう発揮している

 

知っての通り、走るより自転車の方が速いし、自転車よりバイクや車はもっと速い

競技用としてモーターなどが認められることはないかもしれないけど、日常生活用の義肢では別だよね。便利だったらどんな技術でも惜しみなく使うでしょ

 

 

ロボット工学が義肢の世界に入ってきたのはまだ最近の話。研究は前からやってたかもしれないけど、現実的になってきたのほんのここ10年とかじゃない?

きっとこれからもどんどん研究は進むし、技術レベルもどんどん上がる

 

youtu.be

 

まだ今は人間の手を模倣する形を取っているけど、機能性や利便性を考えたもっと画期的な義手や義足も増えるはず。生身と違って状況に応じた付け替えも出来る

そういった物を『筋電義手』と呼んだりする。ここ試験に出ます

 

 

こういうのどう思います?

人によっては怖いとか思うのかな? ある意味人を超える生き物が生まれようとしてるからね。人類史になかったことだ

 

でも僕はすっげーワクワクする!

不謹慎とか言われんのかな? 確かにこの方々は自ら望んで義肢を必要とする体になった訳ではないんだろう

でもしょうがないじゃん

ワクワクするじゃんこんなの!

 

パラリンピックとオリンピックの記録は分けるべき

パラリンピックの記録がオリンピックの記録に迫っていることを知ると、何故オリンピックに障害を持つ選手は出場しないのかと言う人がいるが

実は出場自体は可能です。もう少し記録が伸びてくれば実際に出場してくる選手も現れてくるでしょう

 

しかしこれは危うい感覚だと思います

障害を持つ選手も健常者の選手と同じかそれ以上にトレーニングを積んでいますが、あくまでも技術と肉体を合わせた記録です

オリンピックで障害を持った選手が活躍して「おー良かった」なんて拍手していられるのは最初だけ

次々と記録が塗り替えられ、義肢の方が有利だとなれば起こるのは

健常な肉体を持った選手が脚を切り落とし義足を付ける未来です

 

それを防ぐために、結局は義肢使用者と未使用者の大会を分けることになるでしょう

どちらが『オリンピック』でどちらが『パラリンピック』でもいいですが、参加者はいずれ分けなくてはならない

それを障害者差別だなどとずれた認識で批判する論調が強いと、実際に手足を切り落としてしまう人が出てくるでしょうね

 

ガジェット警部を知っていますか

知らんやろな~! ガジェット警部知らんやろな~!!

 

はい。どうでもいいマウント取ったところでね

なんかね、小さい頃録画だったのかビデオかDVDなのか覚えてないんですが見たんですよガジェット警部

ずっと見てたわけじゃなくて、多分ほんの数話見たのよ

 

 

今調べたらバナナの皮で滑って転んだ警部がサイボーグとして復活する話だったらしい。なんかロボコップっぽいけど、ガジェット警部はベタなギャグアニメです

 

そんでね、ガジェット警部はサイボーグなので体中にメカを仕込んでるんですよ

指先が水鉄砲になったり足がバネのようになったり帽子からプロペラが出て空を飛んだりするんです

 

でも基本ドジなのでいつも失敗ばかりしてるんですが、幼い僕はその全身に仕込まれたガジェットを見て何故か

「かっこいい」

と思ったんですね。何故だかわからないけれど。多分可能性みたいなものを感じたんだと思う

また不謹慎な話になるかもしれないけれど、幼い僕はガジェット警部に憧れ「ああなりたい」と思った。同時にもし腕や脚を事故で失っても、あのようになれるなら構わないなと思っていました

 

 

当時憧れを抱いていた未来、アニメでしかなかった機械仕掛けの義肢の時代は今近くまで来ています

 

人体を超越した義肢と倫理の話

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少し倫理的に問うような話をするかもしれませんが、それはいずれ近い未来、僕たちの世代かその次の世代にでも必ず社会問題として表面化してくる話です

今のうちに少し考えておきましょう

てか僕がそんな話をしたいだけなんで付き合って下さい

 

自ら手足を切り落とす時代がいつか来る

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これまでの義肢はあくまでも障害者支援を目的とした物でした

失った手や脚の代わりに、『本物の肉体より劣る代用品』として人工物を作って補っていたんですね

 

その『代用品』が本物の手足より高性能になった時、何が起こるのか

幼かった僕がガジェット警部に憧れたように、自らの健康な体を切り落としてでも義肢を付けたいと思う人達が必ず出てきます。そしてそれは実行されます。必ず

  • 自転車より速く走れる脚
  • 様々な機能を内蔵したパワフルな腕
  • 高性能カメラ並みの衰えることを知らない眼
  • 同じく衰えない録音や通話機能の付いた耳
  • ハゲない頭皮

始めは戦場の兵士から。お年寄り用から。社会に広まっていきます

これを見てまだ「こんなものいらない」と嫌悪感を抱けるのであれば、それは周りの環境が適応していないからで、今巷で根性論がバッシングを浴びているように徐々に古い感覚と言われるようになっていくのかもしれません

 

障害の定義が逆転する日

義肢とは障害者のためのものです

では障害者とはなんなのか

誤解を恐れずに言えば『多数派より機能的に劣った少数派』のことです

 

100年後か1000年後かはわかりませんが『多数派より機能的に劣った少数派』がいつか数的に逆転する日が来ます

高性能な義肢や義体を使っている方が多数派、全く健康で五体満足な人間が少数派になり、今で言う障害者と同じニュアンスで呼ばれる日が来ます

 

技術の進歩はある日急激に前進することがよくありますね。もしかしたら我々が生きているうちにこのような社会にならないとも限りません

 

 

まとめ

義肢のお話でした

僕はSFが好きで、SFの漫画やアニメを現実の障害者と絡めて語るのは不快感を持つ人もいるかもしれませんが

ここ数年そのSFの世界が「どうやらそこまで非現実的な未来じゃないらしい」と実感しています

 

人間の肉体を義肢が超えた瞬間から障害者の定義が変わっていきます。なのであえて攻殻機動隊の話などを持ち出しました。お許し下さい!

 

それではまた!