世の中褒めロボ

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サッカーワールドカップ日本対ポーランド戦問題の本質を考える

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どうも、ボールが友達です

 

ポーランド戦における西野采配について

サッカーワールドカップの日本対ポーランド戦。

様々な意見が飛び交っていますが、どうも僕的には本質じゃないところで語られていることが多い気がしたので書いてみます。

あ、ちなみに別にサッカーそんなに好きじゃないし試合もハイライトでしか見てません。にわかです。

うっせ! いいんだよ! 言わせろよ!

 

試合内容の整理

さてさてどんな事件だったのかをざっくり整理しますと、今大会から導入された新ルールのおかげで、日本が試合に負けているにもかかわらず攻めずに、終盤10分自陣でボール回しをして時間を稼ぎ予選リーグ突破したってことですね。

国内外問わずその消極的なプレーに批判と、逆に仕方ないという肯定的な意見が交わされています。

 

肯定派としては

「勝つためには当然の冷静な作戦。ルールの上で最善の策を取っただけ」

否定派的には

「見ていてつまらない。闘争心の欠けた試合。スポーツを冒涜している」

こんな感じが多いでしょうか。

 

まぁどちらもその通りだなぁと思うんですが、合理的であるのは肯定派でしょうか。

普段頭でっかちで理屈っぽい僕としては肯定派に賛同したい。

ところなんですが!

どうも問題はそこじゃない気がする。

 

問題の本質とは何か

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まず、常々思っていることなんですが、プロスポーツとはなんなのか。

そこからです。ついてきて下さい。

 

マチュアとプロの大きな違い。それはプロスポーツは『ショー』である一面を持つことだと思います。

レベルの高い競技を見せることも当然必要なのですが、目的はそれだけではなく、お客さんを楽しませてお金を貰うということです。難しいところですが。

会社員と兼業ではなくお金を貰ってスポーツで生活していくことで、トレーニングなどに多く時間を割けより高い内容の競技を見せることが出来る。そういった性質があります。

 

以前プロ野球の世界で活躍していた新庄剛志選手などはそのあたりを伴った競技者であったと感じます。意識してやっていたのかは知りませんが、高いスキルに加えお客さんを楽しませることで広告塔としての役割を果たしていました。

またイチロー選手などはひたすら勝つことや成績にこだわり、素晴らしいプレーで絶大なチームへの貢献と野球の魅力を伝えることに成功しています。

選手の立場で言えばとにかく勝ちにこだわること、質を高めること、指示された作戦をしっかりこなすことは全くもって間違いではありません。

 

ただ経営陣やスポンサー、メディアなど試合ではなくスポーツそのもので利益を得ているもの、それからサッカー界が盛り上がることで得をする我々観客側も意識して考えなければいけないのは『人気』への影響。

その試合が、そのプレーが、サッカーの人気にどんな影響を与えるのか。

それはお金の話だけではなく

競技人口は増えるのか減るのか

試合の観客数は

テレビの視聴率は

 

このような競技そのものの『人気』が、この先国内サッカーのレベルそのものに通じてきます。

そりゃだって小さい頃からサッカーやる子供ってのはテレビで見て「かっこいい」と思ったからやるんですもん。見てかっこ悪いスポーツなんかやりたがりませんし、お金の稼げない人気のないスポーツでは一生を捧げるほど努力する人なんか限られてきます。

 

サッカーの競技人口は世界でバスケに続いて第二位。

このような大きなスポーツの世界大会で勝つことは大変意義がある。すごい! ってなるもんね。人気も出まさぁ。

ただ勝ち方ってもんがある。

勝つのはあくまで「人気を出すため、喜んでもらうため」であって、賛否で割れるような勝ち方は本末転倒。

 

特に今回の采配を肯定しているのはサッカーやスポーツに慣れ親しんだ人が多いのだろう。勝手な想像だけど。

そういう元々スポーツ好きな人に肯定されてもあまり意味がない。

Wカップなんてせっかく普段サッカーに興味無い人も見るような大会なんだから、そういう層の人気を取っていかないといけない。

オフサイドなんかよくわからん、大会のルールも細かいことは知らん。こんな『大多数』の方々にぱっと見印象で
「なんか卑怯なことしてる」
って思われたらあかんのですよ。もうこいつらJリーグなんか見ませんよ。勝つことの目的を見失ってる。

 

実際に作戦を決めたのは監督なんだろうし、負ければ責められる胃が穴になる大変な仕事だったとは思うのですが

それでもあえて言うならばWカップの代表監督なんてポジションをやるのであれば日本サッカー界全体のことをもっと考えてくれなければいけない。

 

だがしかしボールはまだ転がっている

ただね

ただ、今回あの作戦で形振り構わず勝ちにいったというのはサッカー人気に対して直接マイナスなのではなく、マイナスになる可能性の高い作戦なのですよ。

実際は勝てばもう1試合出来るわけで、そこで良い結果を残せばある程度その前の試合への評価も肯定的に見られる。

なので今僕はこれを次戦であったベルギー戦が終わってから書いています。

結果は優勝候補でもあるベルギーに2-3で惜しくも敗れるも、その内容への評価は高い模様。ポーランド戦の負債もある程度返済出来たかなって感じ。

 

監督がここまで計算しての作戦だったのかは定かじゃありませんが、結果で言えばむしろ正解側だったのかなと。やっぱり最終戦のイメージが一番強く残りますしね。

ただポーランド戦は傍から見ていて『国内サッカー人気』の面では大きなリスクを背負った上での采配だったことは間違いありません。

ここでズタボロにやられてたらそれこそ最悪だった。

 

おまとめ

僕個人的にはこの作戦に肯定も否定もするほど今はサッカーに興味無いんですが、この問題を考える際に重要な

プロスポーツとはなんなのか、日本にとってWカップはなんのための大会なのか、勝つことにはどんな意味があるのか、一番のリスクと最悪の結果とはなんなのか。

このあたりの根本的な視点が欠けて語られていることが多い気がしたので書いてみた次第でありました。

 

負けることが最悪なのではなく、サッカー人気が落ちることが最悪なのです。

勝つことが最高なのではなく、サッカー人気が上がることが最高なのです。

このへんな、試験に出るから。